雑言 NO.1345

先々週土曜日に、クラウドファンディングのリターンとして「食卓-みんなでごはん」を開催しました。カミさんが料理を作る、支援をいただいた方へのお返しです。ふだん家で作っているものとはいえ、その料理の数は半端なく多かったので、よくぞ作ってくれたと感謝の念が湧きました。いつも通りの料理とはいえ下拵えは数日前から始まり、当日は朝から厨房にこもりっきり。よく頑張りました。

ランダムにお客さんが来る店と違い、「食卓-みんなでごはん」のスタイルは食べ始めにすべての料理を出し、あとは分け合いながら作り手も一緒に食べます。家庭の晩ごはんを街のみんなで囲むことをイメージしたので、作り手も席についてあれやこれやと作り方を説明しながら一緒に食べる。そこで作り方や素材の話になるのもいいし、何でもない身の回りの話を聞いて頷きあうのもいいでしょう。

19時スタートの食卓に合わせて料理をいっぺんに出すためには、料理の組み合わせや段取りを考えておかなくてはなりません。全部がアツアツの出来たてとはいかない。冷たいものがあり少し味をなじませた温かいものがあり、鍋から出したばかりのアツアツがある。その晩ごはんを家族ではなく初めて会う人たちと囲むとどうなるか、何が起きるか。それが「食卓ーみんなでごはん」のテーマです。

先週は水曜に初の公開募集で「食卓」を囲み、経験豊富な原田さんが見事にさばいてくれました。木曜にはやはりリターンとしてジビエ料理を「食卓」スタイルで楽しみました。どちらも初めて顔を合わせる方が多く、「食卓」のテーマを試すには良い機会。とくに公開募集でお出で下さった方々は、ひとりで参加されたのにすっかり周りの方と打ち解けて、SNSで友達になってお帰りになりました。

私たちが設定しているのは、あくまでもどんな料理をだれが作るかということ。でも、一緒に同じ食卓で食べるという時間は、そこに何かを生み出します。「美味しいね」でもいいし「私これ大好きなんです」と思わず言ってしまってもいいし「そのお皿こちらに回して下さい」でもいいんです。何かその場で言葉やアクションがあれば、何かしら反応があって言葉や意思の疎通を図るきっかけができる。

食べることは誰でも毎日必要な暮らしそのもので、美味しいものを味わうことは誰もが喜ぶ楽しみです。一方で会食は何か括りがある人の集まりでするもの。会社の同僚であったり、学校の同級生であったり、地域の集まりであったり。その括りを外したひとりやふたりが集まって、家族のように美味しいごはんを大きな食卓で一緒に食べたらどうなるか。それがこの「食卓-みんなでごはん」です。

今週は水曜にまたカミさんの「食卓」があります。こんどはカミさん初めての公開募集。よその後はまだ決まっていませんが、夜だけでなくランチもやってみたい。小さな子どもがいるママ限定のランチとスイーツもやってみたい。先週の二日連続で分かったのは、夜の「食卓」が続くと私たちのカラダが危ない。昼の店を目一杯やった上で、夜の食卓を10時までやるのはせいぜい週一ぐらいが限界。

そこで、今後は運営をチーム制にして企画運営と現場管理をシェアしていく形を作ります。「八百屋の食卓」はCAMBIOが資金を投じた事業ですが、運営は非営利です。「八百屋の食卓」は独立採算で経営状態を透明化したうえで、有志で運営していきたい。そのための説明会を設定しました。本当は説明というより、集まった方から知恵をお貸しいただくことになりそうですが、どうぞよろしく。